PHPのオプションモジュール

PHPには多くのコンパイルオプションがあるが、たいていのオプションは(特に--with-xxxxオプションはほとんど)対応するアプリケーションがインストールされていなければ有効にすることができない。ここではその中でも比較的よく使われると思われるアプリケーションのインストール方法を紹介する。
 「libcurl」は、PHPでcurl関数を扱えるようにするためのライブラリである。リモートコンピュータ上のファイルを扱うのにはFTP関数がよく使われるが、CURLはHTTPやTELNETを利用することもできる。ただFTPしか利用しないのであればFTP関数でも充分なので、特に利用しないのであればインストールする必要はない。
「pdflib」はAdobeのAcrobatで有名なPDFファイルを扱うためのライブラリ。PDFLIBは個人使用であれば無償だが、PDIを利用する場合はライセンスを購入しなくてはならない。PDFlibのサイトからバイナリをダウンロードしてインストールした場合、作成したPDFファイルに「www.pdflib.com」というロゴが入る場合、ライセンスキーを取得しなければこのデモスタンプを消すことができないので、PDIを利用しないのであればソースからインストールしたほうがよい。
「ming」は、PHPでFLASH関数をサポートする。あまり使う機会はないかもしれないが、PDFlibと違ってフリーなので、SWFファイルを扱う可能性がある場合はインストールしておくとよい。
「phplib」は、モジュールというよりもPHPで比較的規模の大きいWebサイトを構築するための便利なスクリプト集である。よって上の3つと違い、PHPのインストール後にインストールを行う。PHP3用のスクリプトであるが、PHP4でも動作可能であるため、利用する場合はApacheのhttpd.confや.htaccessで、拡張子php3もphpスクリプトとして動作させる必要がある。

Curl

1)「/usr/local/src」以下にアーカイブを展開する。

# cd /usr/local/src/
# tar zxvf curl-7.9.8.tar.gz
# cd curl-7.9.8/

2)configureに、使用するオプションをつけてコンパイル、インストールする。

PDFlib

1)アーカイブを解凍する。JAVAをサポートする場合はJ2SDKのインストール場所を指定する必要があるため、予めJ2SDKをインストールしておく(環境によってはエラーが出て使えない場合がある)。

# cd ../
# tar zxvf pdflib-4.0.3.tar.gz
# cd pdflib-4.0.3/

2)コンパイル、インストールを行う。

# ./configure --prefix=/usr/local --enable-shared-pdflib --enable-cxx \
--with-java=/usr/local/j2sdk
# PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH make
# make install

3)フォントをインストールする。ディレクトリをコピーした後、設定ファイルを書き換える。

# cp -r fonts /usr/local/lib/pdflib
# vi /usr/local/lib/pdflib/pdflib.upr
    %//home/tm/src/pdflib/fonts
   を
   //usr/local/lib/pdflib
   に書き換える。

4)Apacheの起動時には、以下のようにして環境変数を設定しておく。

PDFLIBRESOURCE=/usr/local/lib/pdflib/pdflib.upr

ming

1)アーカイブを解凍。

# cd ../
# tar zxvf ming-0.2a.tar.gz
# cd ming-0.2a/

2)Makefileの中の、インストール先を変更してコンパイル、インストールを行う。

# vi Makefile

    PREFIX=/usr/local
    #PREFIX=/usr

# make
# make install
# ../bin/apachectl configtest # service httpsd restart

PHPlib

1)PHPlibのインストールはPHP本体をインストールしたあと行う必要があるため、PHPをインストールしてApacheでの動作を確認しておく。その後Apacheを停止してアーカイブを「/usr/local/src」以下に解凍。

# cd ../
# tar zxvf phplib-7.2d.tar.gz
# cd phplib-7.2d/

2)PHPlibのクラス群が格納されているディレクトリを、PHP4のインストールディレクトリ以下にコピーする。その後「prepend.php3」ファイルの拡張子を変更して、中身を書き換える。

# cp -r php /usr/local/php4/
# cd /usr/local/php4/php/
# cp prepend.php3 prepend.php3-dist
# mv prepend.php3 prepend.php
# vi prepend.php

$_PHPLIB["libdir"] = "/home/nathan/webDevel/php-lib-stable/php/";

$_PHPLIB["libdir"] = "";
に変更
# vi ../lib/php.ini

auto_prepend_file = prepend.php
include_path = ".:/usr/local/php4/php

※このほかにもPHPの速度を向上させる「Zend Optimizer」のようなツールがあるが、このアプリケーションにはインストーラが付属しており、画面の指示にしたがってインストールしていけばいいのでここでは紹介しない。

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